高血圧に効果があるタンパク質
食事で高血圧症を治療しようとする場合、なくてはならない栄養素の一つにタンパク質があります。
タンパク質には血管の老化を防ぎ、弾力性を保つ働きがあります。
血管の壁が柔らかいということは、少しくらい血圧が高くなっても大量に流れてくる血の圧力で血管壁が破られる可能性が少なくなり、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な病を食い止めることにもなるのです。
それに加えて、タンパク質にはナトリウムの排せつを促進したり、交感神経の働きを抑えたり、はたまた血管の緊張を防ぐ働きもありますから、血圧を下げるという点ではとても優れた栄養素ということができるでしょう。
特に魚介類には、タンパク質の中でも一段と有効な成分といわれる、タウリン・メチオニン・セリンなどといったアミノ酸が豊富に含まれているので、血圧の気になる方はこれらの食品をたくさんとるといいと思います。
また、一般に青み魚といわれる、イワシやサンマ、サバやアジなどには、タウリンに加えてDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの血圧を下げる効果の高い成分が豊富に含まれています。
別に病気ではなくても、年をとると誰しも高血圧になってしまいますが、これらの魚を普段からたくさん食べていると、脂肪がたまりにくい体質になるので動脈硬化が進行しにくい、つまり高血圧になりにくい体を作るということが知られています。
これらの食物はLDLコレステロール値を下げて、血流が滞りにくい体質をつくりますから、心筋梗塞や脳梗塞など血栓が原因で引き起こされる病などを予防する効果があるのです。
ですから、昔から、魚をいっぱい食べている漁村の方が農村地帯よりも脳卒中になる人が少ないといわれてきました。