高血圧と食事
現代社会では、お金さえだせば好きなものを好きなだけ食べることができます。
これとは裏腹に戦時中や敗戦後の日本では明日の米びつさえ覚束ない食生活を強いられていました。
今の世の中には飽食の時代を反映して生活習慣病がはびこり「これ以上食べ過ぎたらいけない」と自分の身体に気を使う方であれば誰しもそう思うはずです。
高血圧症や心臓病を抱えた方なら更にその思いは強いはずですね。
でも、食生活に逼迫した戦時下では「これくらいは食べておかないと身体がもたない」というのがほとんどの方の食のモラルで、現代の食のありようは想像だにつかなかったでしょう。
高血圧症者は食事の量と栄養素に留意
なぜこんなお話をするかというと、この時代を生き抜いてきた方は未だその考えを捨てきれずにいるのではないかと拝察するからです。
食事は自分に必要なカロリーを計算して、自分の健康状態にあったものを、過不足なくとることが必要な時代になっています。
職種や年齢、はたまた男女の別などによって、食事の量も摂取が望ましい栄養素も当然かわってきます。
カロリーの量ばかりではなく、この栄養素にも注目してください。
日本人のほとんどが主食とするご飯には糖質が多く含まれ、貴重なカロリー源になっています。
脳細胞は、この糖質しか栄養素にできないので不足しないようにしっかり食べる必要があります。
ただし、高血圧症や糖尿病の方は摂取を控えた方が無難です。
また、タンパク質は、筋肉や骨格、血液などをつくる栄養素で、不足すると貧血や肝臓障害を引き起こすことがあります。
最後に脂質ですが、これも糖質と同じくエネルギーの元になります。
ただし、これも高血圧症などの方は、飽和脂肪酸が体内で発生し、コレステロール値が上昇するため控えた方がいいです。
代替として、魚や大豆で不飽和脂肪酸とタンパク質をとることをおすすめします。
これらがいわゆる3大栄養素と呼ばれるもので、私たちの身体を作ったり、脳の活動や運動の活力源となるものです。
また、これらの他に、身体の調子を整え、体内器官をスムーズに機能させる働きがあるビタミンやミネラル類の存在も見逃してはいけません。
これら栄養素はいずれも身体には欠かすことができないもので、多すぎても少なすぎても身体はうまく機能しません。
つまり、ほどほどにということですが、何事もこのほどほどが一番むずかしいですね。