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高血圧と夏

一般に、高血圧症の方は、冬の寒さを特に注意しなければならないとされていますが、夏の暑い季節にも多くの危険が待ち構えています。

特に注意しなければならないのは、暑い盛りの食生活です。

夏の太陽が照りつける日には、つい食欲が減退しがちで、サッパリとしたもの、塩辛いものや冷たいものがほしくなります。

塩分の取りすぎは高血圧には大敵と十分承知していながら、「でも、今日はだいぶ汗をかいてしまったから、これくらいなら大丈夫だろう」などと勝手に理窟をつけ、しょっぱい枝豆でビールジョッキのメーターを上げがちですね。

また、スポーツなどでで汗をかいた時には、食塩を多めにとったほうがいいと信じている方も多いのではないでしょうか。

でも、私たちの身体はどんなに汗をかいても、塩分が不足するということはありません。

高血圧症者は夏場の気の緩みに注意

なぜならば、仮に1リットルの汗をかいたとしても、その汗とともに体外に流出する塩分はせいぜい5グラム程度といわれています。

普段の食事で私たちが摂取する塩分は一日当たり12から15グラム、また血圧が高い方の減塩食の目安が10グラム程度とされていますから、例え2リットルの大汗をかいたしても、ことさら塩分を補給する必要はないからです。

冬の寒いときには、あれほど念入りに管理していた塩分に対して、夏の暑い時期は急に寛大になってしまいます。

夏バテだ食欲不振だと適当な理由をつけて、つい塩辛いものを取りすぎてしまうこの時期は要注意です。

血液中の水分が不足すると、血液濃度が上昇して脳梗塞の危険も高まりますから、夏にたくさん汗をかいたときは、まず水分を補給することを心がけましょう。

糖分のかたまりみたいな清涼飲料などは極力避けて、冷たいお茶などがいいですね。