高血圧の原因〜交感神経の働きによるもの
高血圧になる原因としては、動脈硬化やホルモンやナトリウム、自律神経などの影響によるものなどいろいろありますが、このページでは自律神経の影響を取り上げてみます。
自律神経は読んで字の如く私たちの意志とは無関係に働くもので、内臓や血管の働きなどを制御しています。
自律神経の連絡網は脳や脊髄を起点に身体の隅々にまで張りめぐらされ、たとえ私たちが就寝中であっても生命活動に必要な呼吸などを掌ってくれています。
みなさんよくご存知の通りこの自律神経は、交感神経と副交感神経という2種類の神経体系から成り立っており、これらの神経は互いに相反する性質を持っています。
すなわち、前者の交感神経は心臓の活動を刺激して心拍数を増加させる働き、すなわち血圧を上昇させる働きがあります。
これに対して後者の副交感神経神経は交感神経とは対照的に血圧を下げる方向に作用します。
すなわち、心臓の活動を制御して心拍数を減少させる働きを及ぼすのです。
また、血圧の話とは関係のない余談になりますが、おもしろいことに、胃や腸に及ぼす交感神経と副交感神経の働きは、心臓に作用する時とは正反対の作用をもたらします。
すなわち、交感神経は胃や腸の働きをセーブすることに対して、副交感神経神経はこれらの臓器の働きを活発にするのです。
したがって、交感神経神経の支配下では分泌量が抑えられる胃液なども、副交感神経神経の働きが顕著になると分泌量が多くなるんです。
交感神経は刺激をあたえるばかりではなく、活動を抑制する働きもするんですね、知っていましたか?
交感神経が血圧を上昇させるメカニズム
実は、交感神経自体が直接血圧を上げる原因を作っているわけではないのです。
交感神経の活動が活発になると、腎臓の副腎などから血圧が上がる原因になるカテコラミンという名のホルモンが分泌されますが、これが血圧を上げる諸悪(?)の原因。
このホルモンは心臓や腎臓、血管などに作用して血圧を上昇させるように働きかけるます。
腎臓においては交感神経が興奮することでアンジオテンシンHというホルモンが優勢になり、これが血圧を上昇させる原因をつくります。
また、このホルモンはアルドステロンというホルモンを分泌しますが、このホルモンは尿中に排出されるナトリウム量を減らす働きをするので、結果としてナトリウムが排出されずに体内に蓄積されていくため、血圧がさらに押し上げられることになります。
また、血管においては、交感神経が緊張することで血管の収縮度合いが増して、末梢血管抵抗が大きくなるので血圧が上昇します。
交感神経が血圧を上げるいろいろな原因物質を作っているんですね。
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