血圧状態のカギを握る心拍出量と末梢血管抵抗について説明しています。


心拍出量と末梢血管抵抗

血圧は、いろいろな原因によって決定されますが、その根幹をなすものが「心拍出量」と「末梢血管抵抗」の基本ファクターです。

心拍出量とは、文字通り心臓の筋肉の収縮により送り出される血液の量のことで、この心拍出量が多ければ多いほど、血管壁に対する圧力(=血圧)が高まることになります。

また、私たちの身体には、身体の隅々にまで栄養を供給するため、末梢血管と呼ばれる細い血管が全身に張り巡らされていますが、血流は心臓から離れるほど流れにくくなります。

心拍出量と末梢血管抵抗〜血圧を左右する要素

この血液の流れにくい状態を末梢血管抵抗と呼んでいます。

血管の老化が進んだり、ナトリウムやモルモンなどのバランスが崩れ、自律神経が阻害されると血圧が高くなり、この末梢血管抵抗が増加して血液が流れにくくなります。

こうなると心臓は血液を末端まで行き渡らせるために、より一層の圧力をかけて血液を送り出すことになります。

この結果、血圧はさらに高くなり、血管壁が傷ついて動脈硬化などの症状も亢進していく結果になってしまいます。

このように、血圧は「心拍出量」と「末梢血管抵抗」の影響を受けますが、私たちの身体の造りや健康状態は一人一人違うため、これらの要素は常に一定ではありません。

心筋が肥大して心拍出量が増加したり、ただでさえ流れにくい状態にある末梢血管が動脈硬化症などでさらに血流を阻害され、末梢血管抵抗が増加するとそれにスライドして血圧も 高くなっていきます。