高血圧の基準
日本高血圧学会は、さまざまな臨床結果や研究発表などを踏まえて、適切な時期に高血圧のガイドラインを都度見直しています。
現在、学会が発表している高血圧治療のガイドラインによると、収縮期血圧140mmHg以上、若しくは拡張期血圧90mmHg以上に該当する場合が高血圧の基準と定められているようです。
この基準を超えて血圧が高くなるほど、心臓や血管が損傷を受けて生じる重篤な病、すなわち狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの心血管病が発症する確率も高くなっていきます。
また、なにも高血圧ばかりがこの心血管病を引き起こすものではなく、心血管病の危険因子としては、高血圧の他にも糖尿病や肥満、喫煙などがあります。
したがって、高血圧の方は特に糖尿病には注意して、日頃から太ることのないよう常に標準体重を維持できるように留意し、タバコなどの習慣がある場合には思い切って禁煙することも必要でしょう。
高血圧に加えて糖尿病などを発症してしまうと心血管病の危険性が一段と増加してしまうのです。
高血圧治療のガイドラインでは、血圧の程度と糖尿病など高血圧以外の心血管病を発症する病気などの有無によって、高血圧患者がもつ心血管病に対する危険度を次の3つの基準に分類しています。
低リスク
高血圧の程度が軽く、高血圧以外の病気や症状などがない場合。
中等リスク
高血圧の程度が軽度、若しくは中程度で、糖尿病以外の症状などが1〜2個ある場合。
高リスク
軽〜中度の高血圧症で、糖尿病などの病気がある場合や3つ以上の心血管病を引き起こす危険因子がある場合、または重度の高血圧が認められる場合。
また、加齢も心血管病の危険因子とされており、高齢になれば誰しも血管が硬くなって動脈硬化が進み、高血圧になってしまいますが、普段から常に「基準」「境界」を意識して健康的な生活を送っている方と、行き場のないストレスを抱え込んでしまったり、美食・過食、暴チェーンスモークなどを繰り返す方とでは、自ずとその程度には雲泥の差が生じてしまうものです。
将来の健康的な生活のために今にしかできないケアをお忘れなく。