高血圧と飽和脂肪酸
肥満と高血圧には密接な関係があります。
肉の脂肪のとり過ぎが肥満を招き、そして肥満が高血圧症へとつながっていきます。
タンパク質や糖質のエネルギーは1グラム当たり4キロカロリーですが、脂質の場合はほぼ2倍の9キロカロリーあります。
つまり、同じ分量を食べて同じ程度の運動をしても、脂質は体内に残ってしまう可能性が高く、皮下脂肪として蓄積されるので肥満が亢進するというわけです。
脂肪には、飽和脂肪と不飽和脂肪があり、高血圧症を考えるときに問題視されるのは飽和脂肪酸、何故ならこの飽和脂肪は常温下で固まってしまうからです。
高血圧に飽和脂肪酸は大敵
これに対して不飽和脂肪は常温下では液体のままです。
また、不飽和脂肪は血液中のコレステロール濃度を下げる効果がありますが、飽和脂肪酸は逆にコレステロール濃度を高めてしまいます。
固体と液体では体内を圧迫する程度は固体の方がより大きいですし、高血圧症の大敵コレステロールを増やしてしまうのですからこれはかなり深刻な問題です。
でも、だからといって肉食を避けて野菜一辺倒の食生活がいいわけではありません。
肉にはこの脂質のほかにタンパク質も豊富に含まれています。
肉に含まれる動物性タンパク質は、筋骨、血管の再生など私たちの身体には不可欠なものです。
ですから、旨みのある脂身を極力避けて筋肉質のところを上手に活用しましょう。
野菜をほとんど食べないエスキモーの人々には高血圧症の方が少ないと言われています。
彼らは野菜代わりに魚をたくさん食べますので、魚に含まれる不飽和脂肪が血液の流れをスムーズにして血栓をつくりにくくしているのだそうです。
これに反し、肉の脂身に含まれる飽和脂肪は、冠状動脈や血管の内壁に付着して固まり、何層にもなって血管の内空をせまくし、心臓に深刻な負担をかけることになります。
肉のジューシーな部分にはくれぐれもご用心。