高血圧と動脈硬化
私たちの血管が瑞々しい弾力性を失い、硬化の兆候を見せ始めるのは二十歳前後といわれています。
この血管の硬化現象、いわゆる動脈硬化は、経年による老化現象で自然にあらわれた場合でも、不規則な生活や、過食・飲みすぎなどによる生活習慣の不摂生によって、30、40代の比較的若い時に現れた場合でも、残念ながら、一旦動脈硬化をおこして硬くなった血管は再度若々しい弾力性を取り戻すことはできません。
つまり、動脈硬化の進捗状態が加齢とともに緩やかに少しずつ進行し、年をとってからでも私たちの身体が動脈硬化により引き起こされる不具合にある程度順応できるようになるのか、はたまた日常の不摂生により急速に動脈硬化が亢進し、働き盛りの中年において残りの人生に大きな不安を抱きながら鬱々とよすがを送ることのなるのかは、ひとえにその方の生活習慣にかかっているといっても過言ではないでしょう。
高血圧症を回避する動脈硬化の抑制と予防
このように、動脈硬化は程度の差こそあれ、万人に訪れるものですから、動脈硬化の進行を遅らせる工夫が必要になってきます。
要点をかいつまんでお話しすると、以下の事項に要約されると思います。
@動脈硬化亢進の要因となる高血圧に留意し、血圧の安定に努めること。
A適度な運動を心がけ、動脈硬化の原因となる肥満を回避すること。
Bいたずらに血管の硬化や老化を早めるタバコは避けること。
C精神的なストレスを持ち続けると、血圧の上昇を招き、動脈硬化の原因となるので早く解消すること。
D身体に良くないコレステロールをもたらす動物性脂肪の量を極力抑えること。
E食事は腹八分目に抑え、体内でのコレステロール合成要因を作らないこと。
Fたんぱく質やビタミンを十分に摂取して、血管の老化を予防すること。
G野菜類など繊維質の食物を多く摂り、便通を良くして体内に毒素をためないようにすること。
つまり、美食や過食を避け、適度な運動を心がけること、タバコなどの健康を阻害する悪習慣はやめること、などというごく当たり前の結論に行きつきますが、これがどうやら現代人にとっては難しい問題のようです。